東京都北区、荒川の近くにある古い医家の建物。

名倉家は江戸期明和年間(1764~1771年)より骨接ぎ治療を家業としていた。
6代目が昭和6年(1931年)に神田駿河台に名倉病院(整形外科)を開き
現在、この千住名倉医院はその関連施設となっている。
神田の名倉病院はスクラッチタイル貼りの立派な近代建築であったが
平成15年(2003年)に解体され、跡地にはお茶の水NKビルが建っている。

足立区教育委員会が設置した説明板。
この説明によると、名倉家の骨接ぎ治療は関東一円に知られていたらしい。
足立区観光交流協会は
「骨接ぎの代名詞として『千住の名倉』は、全国に知られています」
と大きく出ているが、大阪人である私は聞いたことが無い。
大阪や京都など上方周辺にはその地で有名な治療家がいただろうし、
教育委員会の言う「関東一円」がせいぜいなところではないだろうか。
ちなみに大阪で有名な古い治療家と言えば、東住吉区の「中野鍼(中野鍼灸院)」だろうか。
中野家が鍼灸治療を始めたのは、嵯峨天皇の時代(平安初期)。
弘法大師より秘術を教わった、と言われている。
今も治療院は古い豪壮な邸におかれているらしい。

名倉医院の前は今は駐車場になっている。

白壁の蔵。
壁に鉤型の金具がたくさん取り付けられている。
かつては漆喰壁を保護するめに、木材をはりめぐらしていた名残だろう。
『千住名倉医院』
旧称:
住所:東京都足立区千住5-22-1
指定:
階数:
構造:木造
設計:
施工:
竣工:嘉永元年(1848年)
撮影:2014年1月
現況:○ 足立区登録記念物(史跡)
【参考】
・参考図書一覧
・名倉クリニック
・足立区/千住の遊び方
・名倉医院|みどころ|足立区観光交流協会(あだち観光ネット)
・第19回 名倉クリニック - KANDAアーカイブ:百年企業のれん三代記
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・建築リスト 一覧
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